債務整理

主婦が陥りがちな借金の罠・・・ちょっと待って、その責任は誰のもの?

公正証書の作成を求められんだけど・・・

貸金業者によっては、一度でも返済の遅滞が見られると、「公正証書」と呼ばれる書面の作成を要請してくるところがあります。「公正証書」というのは、全国の公証役場に常駐する「公証人」と呼ばれる法務大臣が特別に任命する公務員が作成した証書にことです。この公証人は裁判所事務官や法務事務官、法人の法務部などで15年などの実務経験を有する者の内から選考されます。さて、この公証人が作成する公正証書において、債務不履行があった場合の強制執行の旨が記載されている場合には、通常裁判を経ないと実施できない強制執行が、裁判非経由で実現できてしまうという特性があります。ゆえに、貸金業者としては、この公正証書というのは、貸し倒れリスクに対処するための重要な武器であるわけです。逆に言うと、この公正証書を作成してしまうと、うっかり債務不履行をしてしまっても強制執行がなされ、文句が言えなくなってしまいますから、迂闊にその要求をのむべきではなく、また公正証書の作成を執拗に求めてくる業者からは借り替えを行うなどの措置(ただし金利が有利に働く方向に借り替えしましょう)を採った方が良いかも知れません。ただ、この公正証書に基づく強制執行に対しては、民事執行法に基づいて不服申立を行うことが一応は出来ますが、この場合には裁判所に対して保証金を支払い、別途手続きを行わなければなりませんので、この申立を行おうという場合には弁護士に相談をするのが普通です。急な弁護士への相談が躊躇される場合には、法テラスや自治体の無料相談を介して、弁護士につないでもらいましょう。

 

白紙委任状って何?

いまでは公然と白紙委任状の提出を求めるような業者はそうそういないと思われます。それというのも、貸金業法の20条1項によって、この貸金業者がこの白紙委任状に当たる文章を取得することが、禁止されているからです。ただ「公然」とはいなくとも、この白紙委任状を「脅し」に使って、手数料をまきあげる悪徳な闇金融が存在している可能性がありますから、この白紙委任状について、少しだけ触れておきましょう。この白紙委任状というのは、公正証書を作る場合や、不動産の担保設定登記を行う際に用いることが出来る書面です。白紙委任状の「白紙」というのは、事項欄が「白紙」であるということ、すなわち業者側が自分にとって有利な事項をいくらでも書き足すことが可能である、というものです。通常、この白紙委任状とセットで印鑑証明書を要求される場合があります。ただいずれにしても、この白紙委任状を渡すことは、絶対にしてはなりません。それというのも、この白紙委任状は、公正証書の作成という用途だけではなく、あらゆる契約書類の作成において、悪用されてしまうからです。この白紙委任状を思わず渡してしまう状況というのは、署名・捺印書類をわざと膨大に手渡して、こちらが面倒な気分になって適当に流れ作業で署名・捺印をしてしまう、という状況です。この状況を狙って、あいだに白紙委任状を挟み込んでくるわけですね。ですから、面倒ではあっても、いかなる書類であれ、署名・捺印をする際には、その書類が何を意味する書類であるのかを確認せねばなりません。ちなみに委任事項と受任者の名前が空白の委任状があれば、それが「白紙委任状」です!

 

夫や子供に借金を支払う義務はあるの?

旦那・子供に知られることなく、借金をしてしまった場合、まさかこの借金の取り立てが旦那や子供にまで及ぶことはないだろうか・・・ちょっとでもそのような心配をされた主婦の方。大丈夫です。保証人や連帯保証人でさえなければ、借金の支払い義務を当該債務者にしかない、ということになっています。そして、貸金業者による、債務者の家族への取り立ては、貸金業法の第21条の1項7号において、明確に禁止事項として明記されており、これに違反した業者は、2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその併科に処せられます(同法第47条の3)。家族だけではなく、一般に債務者以外の者に対して、当該債務者の債務返済を取り立てることが、禁止されているわけです。借金苦の返済相談・債務整理を、「家族に知られずに行うことができる」とよく言われるのは、この禁止事項も密接に関係しているのです。弁護士や司法書士が、債務者以外とのコンタクトを一切とらないように気を配るということだけではなく、業者のほうも、債務者以外と迂闊にコンタクトをとってしまいますと、そのまま警察に通報されてしまうのです(刑事罰の対象ですから、自分以外の家族に取り立ての事実があった場合、警察に通報して良いことになります)。もちろん、悪徳な業者である場合には、家族であれ誰であれ、取り立てを行ってくるのでしょうが、そのように露骨に悪徳な業者は出資法違反業者や無登録業者である可能性もあり、これまた刑事罰の対象となる可能性がありますから、別の意味において、警察なり弁護士なりに相談をもちかけたほうが良いでしょう。

 

夫が自分を勝手に保証人に・・・?

旦那が、勝手に妻である自分を借金の保証人(連帯保証人)にしていた。そんなとんでもない状況に遭遇したとき。少なくとも、ご自身の身の安全については、ご安心下さい。今後のお二人の関係がどうもつれるかは知ったことではありませんが、この場合、奥さんに債務を肩代わりする義務は発生しません。保証人・連帯保証人の書面において、それとは知らされずに(たとえば別件の書面であるかのように見せかけて)署名・捺印を行ってしまった場合にも、この点について、一応訴えることは可能です。この部分の要点は、保証人契約というのは、保証人と業者との契約である、ということです。ゆえに、契約者がその旨を感知していない契約については、本来その無効を主張できるわけです。ところで民法においては「表見代理」といって、本当は代理する権利がないのだけれども、外見上、代理権が存在しているかのように見えるような状況においては、その外見上の代理権を信頼してしまった者を保護する措置が明記されています。まさに夫婦における保証人契約がこの「表見代理」と微妙な関係にあり、旦那が了承を下しているのだから、奥さんは保証人契約に同意をしているのだろう、と業者の側が「信じた」のだという状況を仕立てることが可能なわけです。ただし、判例上では、このような場合には「表見代理」は認められないことになっています。要するに、この場合には業者は奥さんに対して直に保証人契約への署名・捺印を求めるのが筋である、というわけですね。

 

借金癖のある旦那・・・

結婚する前は、あんなに優しくて、仕事もまじめにこなしていたのに、いざ結婚してみてわかったのはその借金癖だった。旦那さんに対して、そんな不満を抱いている主婦の方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。旦那を信頼して、勤めていた会社も寿退社してしまったあとで、再就職もなかなか難しい。けれどそれ以上に、この借金癖のある旦那と今後の人生を歩んでいくほうがもっと難しい。さて、どうしたものか。たとえば、この借金癖を理由に旦那と「離婚」するなんてことは、できるのだろうか・・・・・・。それ、出来ますよ奥さん!(みの風)。ただし、借金をしているというそのこと自体を離婚の理由に掲げることは出来ません。なぜなら、借金をしていてもそれを健全に返済していて、家庭に入れるお金には全く影響を及ぼしていないという場合や、資金のやり繰りが非常に達者で、家計を圧迫しないように、カードローンで、遊ぶお金を捻出している、といったような場合だって、考えられるからです。離婚の理由として掲げることが出来るのは、たとえば債務不履行に陥った挙げ句に、家計収入がすべて借金返済に回されてしまうような場合や、旦那が借金から逃れるために行方をくらませてしまったような場合ですね。これらは民法770条で規定されている離婚の理由に該当し得るのです(この770条の規定というのはやや隔世の感を抱きうる規定でもあります)。ただもちろん、民法763条によって、夫婦間の協議が成立すれば離婚をすることは出来ますが。

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